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遺産分割協議は本来、法定相続人が法定相続分に従い遺産分割されるのであることに対し、相続人が話合いによりどの遺産をだれがどの位相続するかを決定するものです。そして、遺産分割協議を行うときの最低限の条件は以下の2点です。
A全員が協議の結果を承諾すること
遺産分割協議は上記の2点を満たせば口頭のみの約束でも効力は発生します。つまり、書面にしなくても法定相続分に変更を加えることができるのです。しかしこの口頭のみの遺産分割協議にはふたつの問題点があります。ひとつは当事者間の認識です。簡単にいうと相続人の間で「言った、言わない、のトラブル」が発生することです。これは様々な原因があるかと思いますが、遺産分割協議に一旦は納得してはみたものの良く考えたらやはり納得できないという「翻意」からくるもの、話の流れで全体的に納得したつもりでも、詳細に関してはあまり覚えがなく、実質的にあとから不満が出てきてしまう「曖昧」な協議しかできていなかった場合、また、相続人Aは「甲土地は相続人Aが乙土地は相続人Bが取得する」との協議が調った認識でいたが、相続人Bは「甲土地は相続人Bが乙土地は相続人Aが取得する」と認識していた「勘違い」などが考えられます。
このような「言った、言わないトラブル」を避けるためには遺産分割協議書と言う書面にして相続人全員が署名押印を行っておけばこれらのトラブルの回避が期待できます。
また、しっかりと作成された遺産分割協議の結果は第三者に対しても証明力を有します。これは土地の名義変更であれば法務局、預貯金の名義変更であれば金融機関も遺産分割協議の内容に従った手続きを請求することができますが、遺産分割協議が調った証拠として遺産分割協議書の提出が必要となります。
このように内部的にはトラブルの回避、外部的には遺産分割協議書の結果の証明として、遺産分割協議の結果を書面にしておくことは非常に大切なことです。
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